Little Annie

リトルアニーは小さなくるくる赤毛の女の子。
鏡と自分が大好きで、いつもいつも鏡をのぞいては、自分のお人形のような目にウットリ。
周りには目にもくれず、ますます自分のことだけが大好きになるのでした。

ところがある日、リトルアニーは大事な大事な鏡を失くしてしまいます。
最初はしょんぼりしていたリトルアニーですが、鏡が無いので周りを見てみると、
周りにも素敵なものが沢山あることに気づきます。

晴れわたる空、まっしろな雲、きらめく星、きれいな花、かわいい小鳥。
いつも鏡ばかり見て気づかなかった、この世界の素晴らしい彩りに初めて気づいたのでした。

すると周りのみんなも、今までと違う表情を見せるリトルアニーに、
自然と声をかけるようになりました。
小さくてくるくる赤毛でお人形のような目をしたリトルアニー。
いつもは鏡ばかり見て話しかけづらかったけれども、実はみんな彼女とお話しをしてみたかったのです。

鏡を失くして自分の顔を見なくなったリトルアニーは、
その代わりに周りの人たちの顔をよく見るようになりました。

自分よりも鼻の高い人。
自分よりも色の白い人。
自分よりも目が大きい人。
自分よりも唇がきれいな人。

しかし、リトルアニーは誰と比べても、
やはり自分のことが一番好きでした。世界で一番好きでした。
だから、そんな大好きな自分に対して、
怒ったり、邪魔したり、傷つけたり、馬鹿にしたりする人たちは大嫌いでした。

リトルアニーが歌っているのをうるさいと叱ったおじさん。
リトルアニーが手を伸ばしても届かない高い戸棚にお菓子をしまったお母さん。
リトルアニーの描いた絵に落書きをした男の子。
リトルアニーの下手なダンスを見て笑った女の子。

おじさんの変な顔。
お母さんの変な顔。
男の子の変な顔。
女の子の変な顔。
リトルアニーは、みんな変な顔だと思いました。
自分以外のみんなは、変な顔だと思いました。

そして、自分の周りの人たちがみんな嫌になったリトルアニーは、
とうとう泣き出してしまいました。

しかし、誰もリトルアニーのことを慰めてくれません。
リトルアニーはますます涙が止まりません。

でもどうでしょう?
本当にリトルアニーだけが可哀想なのでしょうか?

おばさんから届いた大事な手紙を読んでいる横で大声で歌っていたリトルアニー。
嫌いな野菜を一口も食べずに捨てて、お菓子ばっかり食べていたリトルアニー。
男の子のおもちゃを壊したのに謝らなかったリトルアニー。
女の子との約束をやぶって女の子の誕生日パーティーに行かなかったリトルアニー。

自分のことが大好きなリトルアニーは、思い通りに、わがままに、
ほかの人の気持ちを考えることなく周りの人たちに接してきたことに気づいていません。

リトルアニーは3日間泣き続けました。
その間、誰もリトルアニーに話しかけてくれませんでした。

とうとう涙が枯れて、もう泣くことができなくなった頃、
誰かがリトルアニーの肩をトントンと叩きました。

振り返ると、そこにはみんながいました。
リトルアニーが知っている人がみんないました。
その中には、おじさんもお母さんも男の子も女の子もいました。

そしておじさんが、リボンのかけられた一つの小さな箱をリトルアニーに渡しました。
お母さんが「あけてごらん」と言いました。
リトルアニーは不思議に思いながら、リボンをほどいて、恐る恐る箱を開けてみました。

すると、そこにはリトルアニーが失くした、大事な大事な鏡が入っていました。
「この鏡、どうしたの?」とみんなに尋ねました。
「この3日間、リトルアニーの為に探したんだよ」と、男の子は言いました。
「泣いているリトルアニーが喜んでくれると思って」と、女の子が言いました。

リトルアニーはみんなの顔を見ました。
みんな変な顔だと思っていたリトルアニーは驚きました。
みんなとても優しい顔をしています。
しかし、一人だけ変な顔をしている人がいました。
よく見るとそれは、鏡に映った自分の顔でした。
泣き腫らした目は、とてもお人形のようには見えません。
リトルアニーは言いました。
「ああ、一番変なのは、わたしの顔だったのね。」

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