湊かなえ祭り!

「告白」以来、久しぶりの湊かなえ作品。
続けて3冊、一気に読み切りました。

「往復書簡」
「贖罪」
「花の鎖」

小説って、ようするに「晴天」とか
ようするに「綺麗な女性」とか、
要約すると一言で片付くようなことを、
やたら表現豊かな言葉を用いて、長々と表現したりするじゃん。
でも、彼女の作品にはそうゆう小賢しさがまるで無い。

きっと情緒豊かな表現に想像力を掻きたてられることに
悦を感じる人や、普段から沢山本を読む、本の虫のような人にとっては、
湊かなえの文章は稚拙に感じるかもしれない。
しかし、たまに気が向いた時しか読書しないわたしみたいな人間にとっては、
その回りくどくないストレートな文章がすごく読みやすかったりする。

更にどの作品も彼女の名を世に轟かせた「告白」によく似た手法で、
手紙だったり、スピーチだったり、「告白」と同じような独白だったりで
概ね物語が展開されるのが、
一人称スタイルの小説が好きなわたしにとって、とても入っていきやすいポイント。

リナ・インバース(byスレイヤーズ)も、
冴木隆クン(byアルバイト探偵)も、
楽しい語り口でわたしを小説の世界へと誘ってくれたものです。

しかし、「往復書簡」の一人称は、普通の一人称が対読者の語り口なのに対して、
手紙を用いることで対登場人物になっているので、距離感が近い語りになっていて、
気のせいか、そのぶん更に引力が増しているような。
ミステリーの内容にハラハラしたというよりは、
おどろおどろしささえ感じる緊迫した文面にハラハラしてページを捲った気がする。

3つの話+オマケという構成で、
一つ一つの話は「告白」のインパクトからいくとかなり軽く、
そのぶん「告白」の方が面白かったなー
という感想を抱く人が多いかと思うけど、わたしは十分楽しめました。
相変わらず、どこか欠如した人は多く出てくるのだけれど、
それでもその次に読んだ「贖罪」に比べたら可愛いものだったし、
雲行きが怪しかった展開もあったけど、どの話も読み終えてみれば、
湊かなえ作品にしては「なーんだ!良かった!」と、
前向きな感想で終えれた。

打って変わっての「贖罪」よ。

もしかしたら「告白」よりもトリッキーかもしれない。
事件としては「告白」よりも衝撃的でした。しかも一つだけじゃないしね。
読み終えた後のズッシリ感は半端なく尾を引きます。これも「告白」以上。
そもそも「贖罪」というタイトルからして、ただならぬオーラを放つ言葉だけど。
そして何より、全体的に狂ってる。
登場人物の言動、それぞれに降りかかる事件、色々と狂気じみてる。
最初に起こる事件も悲惨過ぎるけど、
個人的には、最初に出てくる女の子の、事件のトラウマのせいで、
25歳になってもまだ生理がきていないというエピソードに悪寒がした。
ただ、色々と事件を詰め込み過ぎちゃった分、
「告白」よりもお粗末感が否めないところがあるかも。

感想が色々と「告白」との比較になってしまうのは、
何だか「告白」以上のものを作ろうとして、よりインパクトを求め、
より過激に仕上げてしまったんじゃないかと思わせるような内容だったから。
もしも先に「贖罪」次に「告白」の順に読んでいたら、
どっちに対してもまた違った印象を抱いたのかなぁ・・・疑問。

一番良かったのは「花の鎖」
もうこのタイトルがなんて的を得たタイトルなんだ!と唸ってしまった。
「花」の「鎖」。
これが「きんつば」の「縁」では駄目だった(笑)
「花」はまぁ随所に出てくるし、「鎖」というのも、
登場人物たちの繋がりを表現する上で、とてもしっくりくる表現。

ただ、「告白」や「贖罪」あたりに湊かなえの魅力を見出してしまった人には、
若干つまらないかもしれない。
独特のおどろおどろしさや狂気が感じられない。
でもその分、他の作品ではあまり感じなかった、
登場人物たちのやさしさを感じることができた。人を想うやさしい気持ち。
内容も全体的に柔らかい感じがしたし、
なんか作者自身、作風について色々と思案してるんじゃないかなーと勝手に思った。

あと、「贖罪」と「花の鎖」に関しては、
まんま映像化されてるので、読み終えたあとに
キャストを確かめて、
「なるほどー!」と唸ってみたり、
「えー!わたしだったら・・・」と、
自分なりの配役をうだうだ考えてみるのも楽しいデス。(やったクチ)
「花の鎖」に関して個人的には、戸田恵梨香は梨花だろうって感じで、
松下奈緒が紗月、中谷美紀はまぁそのままで良かったかな・・・っていう感想です。

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