松たか子vs木村佳乃

依然大ヒット上映中の「告白」観てきましたー
公開されてから1カ月以上経っているのにも関わらずの大盛況ぶり。
朝一の回でどうせガラガラだろー!と思って行ったら痛い目遭いました。
まさかあんな満員とは・・・確かに評判いいけども。

あたしの周りでも概ね好評で、
本を読んでから鑑賞した人の評価もなかなか良くて、
なかには「本より面白かったー!」なんて感想もあった程。

で、実際に本を読んだ上で観てみた感想としては、
本より面白かった!とまでは言いませんが、
本を読んでも尚且つ楽しめる映画でした。

やっぱ原作の方がキャラクターそれぞれの背景が深く描かれているため、
それぞれの造形は本のが堪能できます。

でも狂気は映画の方が勝ってた。

本は、語り手が冷静に述べていくので、
実はとんでもない事件なのに、
どこか素っ気ないというか、淡々としているんだけども。
変な言い方すると、どこか落ち着いた雰囲気があるんだけども。

そこに音と映像が加わることで、
深い狂気や歪みがリアルにくっきり浮かびあがる感じ。

暗雲立ち込める空や、打ちつける雨。
ポップすぎるBGMや、無邪気な笑い声。

活字では感じ取りきれなかった無秩序の恐ろしい世界観が
視覚・聴覚を通してどんどん体内に入ってくる感じ。

中島監督はこの独特の物語を独特の映像で作り上げたなー
と、カンシンせずにはおれませんでした。

スローモーションで女子学生たちが楽しそうに
水たまりの上を駆けて水しぶきが上がる・・・
ブリッジ的な要素で使われたそのシーンでさえゾクっとしたよ。

犯人の少年Aと少年Bは、映像を観て
「そっかー!これ中学生の話なんだなー!」と、改めて(笑)
特に少年Aは本では大人びた印象で、
あたしの中では高校生ばりの男の子を描いていたのに、
映画ではそれこそへーせーじゃんぷとかにでもいそうな風貌の
男の子だったので、結構イメージ違いました。

逆に全然期待してなかった岡田くんは意外に良かった。
役も役だし、もっと鼻につくかと思ったけど問題なかった。

そして要!
松たか子と木村佳乃の2大女優陣。

前評判でも、松支持派と佳乃支持派にぱっかり分かれてたので、
あたし自身、「自分はどっち派だろー?」と観る前から
かなり楽しみにしていた部分だったのですが。

実際に観てみた結果。
少年Bの過保護すぎる母親役をちょっとクレイジーな感じで演じてた
佳乃さんが途中までリードしてたのですが。

途中、本にはなかったファミレスのシーンで松さんが挽回を計るも、
なおも佳乃さんリードのまま迎えたラストシーン!
最後の最後の演技で。
ものの見事に松さん逆転勝利。
てなわけで、どちらも素晴らしかったですが、結果的にあたしは松派でした。

以前、告白を読んだ後の感想記に、

>「あなたの更生の第一歩だと思いませんか?」
>この凍りつくような締めの一言にゾクゾクときたよ。

と書いておいたのですが。
このゾクゾクきたセリフの先にまさかトドメの一言があったとは!
冷静な森口先生が持つ人間的な醜い憎しみがより露わになり、
かつエンドロールにつながる印象的なブラックアウトとなり、
本以上に受け手をばっさり切り離すかのような終わり方が素晴らしかったね。

これは一重に松たか子の力量によるところだと思います。
ラストシーンは彼女じゃなかったら、台無しだったと思うもん。
淡泊に語りながら内に秘めた憎悪の念をちらつかせる。
あの危ういバランスは松さんの演技力だからこその賜物かと。

いやー
ますます松たか子が好きになったよ。

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